焼き魚のラップを剥がしながら。 レンジのタイマーをセットしながら。 …私は、 夏崎カイのことを思い出していた。 …正直、あんまり会いたくないけど、 それでも、まぁ…ちっぽけな約束だし。 約束どおり、 明日、屋上に行こう…。 「…カイ、かぁ…。 呼び捨てってなんだか…」 焼き魚が温まった頃、 私はキッチンで、 何気なくひとりごちた――。