ちょっと待ってよ、 私は星なんか見ないし…! なんの抵抗もなしに 私の手を掴んだから、 本当にハーフだったりして。 もしかしたら、生粋の外人さん? でも、日本語は流暢だし…。 もはや断ることを放棄して、 さらに思考を深めた。 外人さんもどきは グイグイと私の手を引っ張って、 奥へ奥へと連れて行く。 そして…屋上の柵の前で、 手を離された。 「ほら、あそこ見てみろよ」 彼が人差し指で差したのは、 西の空に煌々とかがやく、 一番星。 空の彼方があかく焼けている、 そのかたわらにあった。