大嫌い。 自分も、お母さんも、クラスメイトも、 全部、全部。 寒い。 凍える。 風が身を切り裂くみたいに吹く中で、 私はただ、走っていた。 12月上旬の、夕暮れ。 道端を歩いていたクソババァが、 濡れた制服をまとって顔を隠して走る 私に、目を見張っている。 見ないで。 見ないでよ。 こんな、惨めな、私。