目の前にいる誰か、は 予想通り黒い学ランを着て、 男子高校生らしかった。 どうやって断ろう。 新手のナンパか。 「あの…私、すぐ帰るから…」 「まぁ、いいじゃんか。 別に変なことしないって。 じゃあ、なんでここに来たんだ?」 …詰まってしまう。 こいつの言うように、 光のかけらやら風の波を 感じに来た訳じゃない。 あくまでも 1人になる場所がほしかっただけだ。 …今はこいつがいるけども。