「ジュース買ってくるね」 その不毛な戦いを繰り広げた結果、僕は案の定負けた。 そして二人でしこたま笑った後、喉が渇いたのか、リエはそう言って立ち上がった。 僕は財布の中の小銭を適当に掴みリエに渡す。 リエはその白いふわふわとした手袋の中の小銭を、なぜだかしばらく見つめていた。 そして、しっかりと握ると、販売機まで駆けていった。