201号室の、オオカミくん☆


皇汰の背中で岸六田先生が隠れる。



ほんの一瞬。瞬きしてたら避けられないぐらいの手際の良さ。



「――っ」



キス、してた。


皇汰から、先生にキス。




シャラン……



風が吹く。屋上から、風が。




「うわぁぁぁぁぁ」



階段を駆け降りて、渡り廊下を走り抜ける。

シャラン……


また三階まで駆け上がり、美術室のドアを開けた。





「馬鹿ー!! 出てこいよ!」


カツカツと階段を上りながら、私は怒鳴る。


大声を出さなきゃ、泣きそうだったから。






「いるんだろ! 猫! 出てこいよ!」



鈴の音がピタリと止む。




「桐原さん」




上り終わる頃には、アーモンドアイが覗き混み手を差し出してくれていた。