岸六田先生は、男子は軽くあしらい、女の子には笑顔で対応していた。


綺麗なもんだからすぐに人気になった。

私みたいな心まで貧乳の女はその輪に入らなかったけど、クラスの何人かは親睦を深めに、先生と学食へ行った。


私はそれを断ち切るかのごとく、クラウチングスタートでパンを売っている家庭科室へ走った。


もしかしたら今日は走るのが速すぎて、猫みたいな奴には見えなかったかもしれない。


それに授業終了5分前に終わったから少しいつもと時間もずれている。


そうは思いつつもたこ焼パンへの思いの方が強かった。


渡り廊下を走り抜け、まだ誰も居ない家庭科室へ―……?


へ?


「遅かったな」


たこ焼パンを手に持つ皇汰がVサインをして家庭科室のパンの前に立っていた。