ゴトッ 「?」 美術室の上から大きな音がした。 皇汰が上を見上げる。 あの馬鹿、音を立てたらバレちゃうじゃんか。 どう誤魔化そうか首を傾げた時だった。 シャラン…… 鈴の音と共に、聞こえてきたのは。 ニャー 猫? 「猫が入り込んでるのか。やっぱ入り込める場所、あるんだろうな」 上手い事誤魔化したけど、私には分かる。 フワフワした顔でニャーと鳴いているあの男が。 名前さえ名乗らなかったあのアーモンドアイの男。 猫みたいな男が。