「その枝豆の枝みたいな鈴、渡り廊下から反射してたよ」

「枝豆!」

クスクスとお腹を抑えて笑う。

夜の空に溶けそうな白い肌の男の人は、繊細に笑っている。


「此処で何をしてるの? 同じ学年じゃないよね? 誰?」


疑問をぶちまけてみるとちょっと寂しげに微笑んだ。




「大好きな美術室の上で大嫌いな舞を練習しながら、自由に走り回る君を見てる」


ね?って笑う。

そんな風に笑われたら、どう答えていいのやら。


「あんたもたこ焼パン食べたいの?」

「え。毎日たこ焼パンの為に走ってるの?」


目を見開いて驚かれた。

なんかちょっと恥ずかしいじゃん。



「たまには違うパンも食べるよ。てか同い年? 学年は? 名前は?」


そう質問したら、数歩後ろに下がって口元に手を当てて考える。