カンカンと足音を響かせながら、屋上への梯子を登る。 するとそれに気づいたのか鈴の音がピタリと止まった。 「お邪魔しまーす」 内心、お化けだったらどうしようと悩んだけれど、屋上を見た瞬間、そんな心配はぶっ飛んだ。 長い影を落とし、こちらを振り向く形で固まっている男の人。 茜色の空が、一瞬で濃い夜の色に落とされるような。 白い肌の、人間か妖しい、綺麗な男の人が立っていた。