皇汰の後ろに乗って、学校を出る。
でも何だか、むしゃくしゃする。
葵と二人だと、空気が綺麗で、なんだか不思議な気持ちになれるのに。
――皇汰は何も見えないの。
こっちが一杯見せてるのに、隠そう隠そうと、綺麗な部分しか見せないように隠す。
「皇汰、代われ!」
「あ?」
「交代」
自転車の後ろから降りて、皇汰に後ろをポンポンした。
皇汰は首を傾げながらも、自転車を止めて後ろに座る。
「私が漕ぐ」
「げ。お前、足」
「治った!!」
乗った私は、追い風を感じながら軽快に走り出……せるはずもなく。
重い。
重すぎる。
ギコギコと、ペダルの音が重く軋んでいる。
花忘荘まではいつぞや転んだ場所付近。
重たいが歯を食いしばって漕ぐ。
「結愛、代わるって。無理だよ」
「無理じゃない!」
皇汰の心配を振りきってまで漕ぎ続けた。



