201号室の、オオカミくん☆


「返事は、イエスしか要らないから。違うなら聞かないよ」

「ごめん」

「謝るのも違うから」


葵はこっちを見なかった。
私もそれ以上は何も言えなくて。


ただ黙って、屋上から降りた。


涙が零れるのは、きっとまだ骨折した親指が痛いから。
無理して一人で登ったから。

そうだと思いたくて、泣きながら降りた。

鈴の音。

吸い込まれるような猫みたいな瞳。

純粋で、子供っぽい笑顔。

凛々しく艶がある舞。

そして、ちょっとだけ寂しい雰囲気の絵画。

前しか見てないで、全力疾走している私には、価値観やら世界観やら壊されて。

葵と居ると、視野が広がったように思えていた。


だから寂しい。

涙が止まらなかった。

自分勝手な、可愛くない涙。

降り終わった後に、ちらりと横目で、屋上に続くベランダを見た。

「――よう」