「好きになったらダメなん?」
袖でごしごし顔を拭く皇汰は拗ねていた。
一緒に出店を回る皇汰は、いつもの皇汰だったけど笑顔が少し元気がなかった。
ただ気を紛らせていたのかもしれない。
私を好きになる事で逃げようとしていたのかもしれない。
「皇汰……」
ちょっとイカ焼きのせいで張り付くけど、ゆっくり額を合わせると、力一杯頭突きをした。
「――いっ!!」
「少しは反省しなさいよね!」
そりゃあ、あんなイケメンな顔が近づいて来たら、金縛りにあって流されてキスしちゃうかもしれないけど。
流されて都合の良い位置から動けなくなれのは嫌だ。
このままキス……したかったのかな。
私は。



