201号室の、オオカミくん☆

「いつもありがとう。リヒトさん。トールさん」

そうお礼を言っただけなのに二人にぎゅうぎゅうに抱きつかれてしまい、皇汰に腕を引っ張られて脱出した。


「もう屋台はできてたぞ」


「わ。やば。行く行く!」

可愛い下駄まで用意されていて、簪がチリンと揺れると、下駄の音が響く。



岸六田先生に無理矢理キスをしたあの野獣。

――201号室の、オオカミくん。


貴方が好きなのは私じゃない。

なのに、――意地悪で冷たくて、極上に甘い。


繋いだ手が温かいんだ。


「どこから行く? 葵の舞は夜に沈む7時からなんだとよ」

繋いだ手は温かいのに何だかとても切なくなるのは何でだろう。


「私、お面が欲しい」


指差したお面屋さんで、不自然に手を離したら、「どのお面?」と然り気無く手をまた繋がれながら話しかけてきた。