「結愛ちゃんにはこれだよ」
白い紙に包まれた浴衣をカサカサと広げると、黄色の浴衣に大輪の花と金魚が泳いでいる派手な柄だった。
「結愛ちゃんにぴったりの元気いっぱいの柄だよね」
「お二人さん、浴衣の着付けはその子?」
「そうそう。よろしくね」
同じく深い紺色の浴衣で現れたおばさんは、――葵の母親だった。
気まずげに目線を反らされたけど、リヒトさんとトールさんが衝立を三つ持ってきて部屋の端っこに簡易のバリケードを作って見ないようにしゃがみこむ。
二人も何があったか知ってるらしく監視はしてくれるらしい。
「この浴衣ならこっちのフリルがついた帯に変えたいね」
「ネイルはこの前の落としてるなら黄色にして向日葵つけようかなー」
まるで女子高生のような会話をしながら、二人は小物を選んでいく。
50畳はある吹き抜けの畳の部屋は、色んな物や人でがやがや賑やかだ。



