201号室の、オオカミくん☆




「へぇ……好きなら、ねぇ」


ニヤニヤした葉瀬川さんの言葉にはっとする。

「好きって言ってもね!」

「うんうん。大丈夫。分かるよー」


上に上がる毎に祭り太鼓に、人が行き来するガヤガヤした声が聞こえてきて、足が弾む。


お祭りって何だか胸が騒ぎだす。

葉瀬川さんの話から耳を反らしたいのか、気持ちがざわざわと騒いでいた。


「好きってさ、色んな形だからさ、選ぶのが難しいし、選ばなくても大切に育てても良いと思うよ」

その言葉に、より一層祭り太鼓の声が頭に鳴り響いた気がした。



「誰の話?」

「昔、この孔礼寺の階段を走り逃げようしたシンデレラの話」

「シンデレラ?」

「皆に色んな愛をくれたお姫様が最後にこの階段で王子様と結ばれたんだ。煙草を吸う不器用な王子様に」