201号室の、オオカミくん☆



「……ありがとうございます。葉瀬川さんみたいな人生をいっぱい経験してきたおじさんが言うと重みがありますね」

「おじさん。……泣くよ」

葉瀬川さんは寂しげに笑うと階段を上がる。

私は服の裾を掴みながら一緒に上がる。


1つ1つ段が高い孔礼寺の階段。


おばあちゃんと手を繋いで一緒に登った思い出が次々に甦る。

葉瀬川さんの裾を掴むその仕草さえなんだか懐かしい。


「葵くんはカナダだったかな」


「へ?」


「ギフテッドって認定されたからカナダがどこかで高い奨学金が貰えるって話を林田先生から聞いたよ」


「ギフテッド?」

聞いたことがない言葉に首を傾げると、葉瀬川さんは言葉を選ぶようにゆっくりと唸る。