「ありがとうございます。結愛ちゃん今から帰るの? 俺もう上がるから送るよ?」
心配げにそう聞いてくれたけど、顔がにやけてしまった。
「大丈夫! 迎えに来てもらうから」
「えー彼氏!?」
焼きもちのように頬を膨らますけど、リヒトさんは『女の子』という生物が好きなだけ。
1回でもお店に来たら顔も忘れない特殊な人なだけ。
この距離感も安心できるのかもしれない。
「じゃっねー。またお小遣い日に来るよ」
リヒトさんに手を振ると、そのまま光とも別れて、駅の裏口に走った。
「遅いぞ」
壁にもたれて気だるげに皇汰が手を上げた。
待ち合わせして一緒に帰れるなんて、なんかちょっと夢みたい。
「リヒトさんのお店で捕まっちゃって。あの人は彼氏か」
「確かに」
プッと皇汰も吹き出した。
あのイケメンは男の子にも有名なのかな。
確かにそこらのモデルより格好いいけど。



