「結愛ー。皇汰ー」
葵がカンカンと古い階段を震わせながら、登ってくる。
皇汰はまだ寝転んだままだ。
「素の俺が好きだって言ったくせに」
「正直すぎるわ、馬鹿。二番目なんてお断り」
だらんと四肢を投げ出した皇汰は、ほっぺを膨らませた。
可愛いが甘やかしてあげない。
「岸六田先生にフラれたから貰ってってのも――」
「何の話?」
鈴を持ったままやってきた葵が、マラカスのように鈴をシャラシャラ鳴らす。
「皇汰が落ち込んでるから頭突きしてたの」
「だから倒れてるんだ。大丈夫?」
手を差し出した葵を皇汰は睨み付ける。
「お前さえ来なければ」
「ん? 俺ー?」
葵が首を傾げるのをみて皇汰は戦意喪失したのか素直に手を取った。



