201号室の、オオカミくん☆


私にはキスじゃなくて、抱き締めて貰いたいだけ。


言葉はいらなくて、体温だけで包み込んで欲しいだけ。


それは、少し嬉しくて酷く悲しい。


「可愛いな。皇汰は」


「お前な」


「キスで黙らせないの?」

不安で揺れる皇汰を滅茶苦茶に甘やかしたいし、滅茶苦茶に罵倒したくなる。


なんでこんな風に思うのか。


葵の鈴の音を聴きながら、私は思いきり皇汰を見上げる。



「皇汰はそもそも私を『好き』?」



その答えによって、私の今後は左右されてしまう。



「岸六田先生みたいに私にキスするつもりある?」


そう尋ねると皇汰は難しい顔をした。