私の気持ちを利用しようとして、ちょっと後ろめたいのか。
「馬鹿だな……。私みたいな初心者には甘い言葉で騙せばコロッと逝くのに」
「うるさい。抱き締めるぞ」
抱き締めて、と言われた気がして笑ってしまう。
ズルい。
皇汰もズルい。
岸六田先生が好きなのに、私の気持ちを知ってるのに、
不安な気持ちを私に慰めて貰おうとしている。
壁に追い詰められて、ちょっぴり怖かったはずが……なんだか少し楽になった。
恐る恐る抱き締めると、皇汰は大きくて、私は腰に抱きついた子供みたいに小さくて。
「よしよし」
背中をポンポン叩いてあげると皇汰はそのまま私を抱き止めて床に押し倒した。
「皇汰の好きはちゃんと岸六田先生に届いてるよ」



