「何で俺が怖いの」
じりじりとした圧力の中、私は静かに微笑む。
「……202号室の『彼』が帰ってくるんでしょ?」
「…………」
「また岸六田先生を取られちゃうって思ってるでしょ?」
今日一日、いつもの余裕が無かったのは多分そのせいだってすぐに分かった。
意外とお子ちゃまで顔に出る事はもう分かってる。
「お前は?」
バタン
腕を捕らえられ、開けられていた扉は簡単に閉まる。
腕を引っ張られたのを慌てて引き剥がすと、壁に追い詰められた。
シャラン……
下では葵が舞をして、太鼓や歌が流れているのに。
「何で何も俺に言ってくんねーの?」
「言うって」
「何か1つでも良いから安心させてよ」



