なんだか少し、皇汰も岸六田先生もすれ違っているような……?


それを私が指摘しても良いのかな?

二人が気づいて乗り越えなきゃいけない……?

何故か二人の事なのに私まで胸がぎゅっとなる。


「岸六田先せ」


「――結愛さん」


ピシャリと背筋が伸びるような、よく通る声が廊下の端から端まで響き渡る。


「うわ。お婆ちゃん……」


「『うわ』じゃありません」

談話室にいたおばさんが着ていた着物なんか目じゃないぐらいの高級な着物を身に纏い、60をとうに越えたはずなのに年齢不詳な、突き刺さるようなオーラを放ってる。


お婆ちゃんを知らない人は、そのオーラに冷や汗を垂らす程に。



「全て、校長先生からお聞きしました。」