201号室の、オオカミくん☆



ピリピリとした空気は……何だか悲しかった。

本当の家族とはまた違った憂いさが漂う。
寂しい。


「桐原さんと葵くんはもう戻った方が良いわよ」


岸六田先生も感じたのか間に入ってくれたけど、葵は頑として断った。


「ううん。こいつらが林田先生を傷つけないように見張っておく!」

「こいつらって!」

またギャーギャーと騒ぎだした二人を葵はそっぽを向いて無視する。



「じゃあ私は授業に戻らなきゃ婆ちゃんが煩いからさ」

「えー。じゃあそのオニギリは?」

私が膝の上に乗せている紙袋を指差した。

「へ?」

「約束してたオニギリじゃないの?」


目をキラキラさせる葵は、子どものような笑顔を浮かべている。