ピリピリとした空気は……何だか悲しかった。
本当の家族とはまた違った憂いさが漂う。
寂しい。
「桐原さんと葵くんはもう戻った方が良いわよ」
岸六田先生も感じたのか間に入ってくれたけど、葵は頑として断った。
「ううん。こいつらが林田先生を傷つけないように見張っておく!」
「こいつらって!」
またギャーギャーと騒ぎだした二人を葵はそっぽを向いて無視する。
「じゃあ私は授業に戻らなきゃ婆ちゃんが煩いからさ」
「えー。じゃあそのオニギリは?」
私が膝の上に乗せている紙袋を指差した。
「へ?」
「約束してたオニギリじゃないの?」
目をキラキラさせる葵は、子どものような笑顔を浮かべている。



