嫌な予感がした。ざわざわと。
楽しい時間が過ぎて、茜色の空の下、長くなる自分の影のような。
あの影が楽しい時間の終わりの象徴だった。
学校の駐車場に、白いリムジンと黒のベンツを見てしまうと――不安になる。
結局、忙しくて帰れなかった皇汰にはオニギリを渡せなかった。
でもサボる可能性も出てきたから好都合だ。
今のうちに葵にオニギリを届けようと私は三階まで駈け上がった。
けれどまだ登校していないのか屋上は静かだ。
…………。
私の勘が、職員室に行くなと言っている。
私の勘が、職員室へ急げと言っている。
嫌な予感は、免れないかもしれない。
私はオニギリの入った紙袋を振り回しながら、行きたくない職員室へと走った。



