「ばっかじゃん。失恋で金髪?」

「そこは坊主だろ」


教室の真ん中で、男子たちに髪の事を弄られる皇汰。


その皇汰の回りに、にこにことやりとりを笑う女子が囲んでいく。



すっかり中学時代の皇汰になっていた。






「あれ、あんたの効果?」


「だったらもっと嬉しい顔をするよ。私」

全然違うから苛々してしまう。


失恋したって昨日話してくれたのは、私だけにかと期待したのに。

早速皆に話して笑い話にしている。




――笑い話にして、プライドを保とうとしているようにも見えるけど。


「ま、学校に来ちゃえば私のものだ!」


きっと接する機会も増えるし。出席番号は近いから家庭科の実習とか一緒だし。


なんとか自分を落ち着けようとブツブツ言っていたら、光がスマホをスライドさせてあるものを見せてきた。


「駅前のビルさ、今30%オフフェア中らしいよ」

「まじで? 『jewelry princess』も!?」


150のサイズの品揃えが良くて、イケメンデザイナーがお客の生の声を聞きたいからと接客してくれるし服は可愛いあのjewelry princessも!