「葵くんは優しい子だからね。頭も良いから全部理解していて……胸が痛むよ」

――あんなキス野郎! 胸が痛む必要なんて……ない、けどやっぱ打破して欲しい気もする。


「本家が何やってんの? うちのおばあちゃんのお弟子さん達はそんな劣等感もなく誇りを持ってやってるよ」


「うーん。それとはちょっと違うんじゃないかなー。私たちは生まれた時から既に分家って位置に居たんだよー。君のお祖母さんを尊敬して集ったお弟子さんとは違うよ」


……ふぅん。

やっぱり私には理解したくない話だ。

でも。

だからこそ、ちょっとだけ葵の絵は寂しかったんだと思う。


寂しい青い絵だったんだ。



私と葉瀬川さんが、お互い苦笑していると、両手に何個もヨーヨーを持った皇汰がやってきた。