201号室の、オオカミくん☆


皇汰は冗談ではなく本気で言っている。


今日は暑いよね、みたいに自然な流れで。



「なのに、冴えなくて私服のだっさい男に負けて、失恋したんだよね。誰にも負けた事がないのに、全部勝ってるのに負けたんだよね。くっそ。まじむかつく」



『負ける』が屈辱だったらしく何回も連呼した後ニヤリと笑う。



「でも案の定、ちょっと髪染めただけで帰国してくるんだから、チョロいよな」


まさか。



「振り向いて貰おうと、ちょっと悪さしたの?」


「見た目だけだよ。成績はそのままだろ?」



フフンと皇汰は得意気に笑った後、ちょっとだけ寂しげに微笑む。



胸が痛む。

そうか……。好きな人が居たのか。

皇汰は失恋したんだ。


失恋からの若さ故の暴走だったのか。








「何だよ。皇汰の馬鹿! 馬鹿皇汰っ」


私の心配を返せ!