書いてないけど、職員室にいるリンダに会いに行こうとして立ち上がり、動きを止めた。
「あ」
「あ?」
私の発言に二人が首を傾げる。
「進路指導室で二人にして大丈夫?」
――危ない進路指導室が始まったりしないだろうか?
そう思って二人を見たら、二人は顔を合わせて爆笑し出した。
岸六田先生なんて胸をぷるぷるん揺らしているから、悔しい。
「大丈夫。皇汰はあんな馬鹿もうしないわよ」
「――やけに信用してんじゃん」
「実習中は生徒と先生だもの」
ね?、と同意を求める声が甘い。
誘うような伏し目がちな瞳に睫毛の影が映える。
「実習が終わったら?」
その言葉の先は、妖艶に微笑んで答えなかった。
二人の駆け引きみたいな視線が交わされる。
甘い。
「…………」
私は邪魔にならないように無言で進路指導室を跡にした。



