201号室の、オオカミくん☆





「失礼しまーす」

ノックしつつドアを開けるというノックの意味がない声に、空から視線をドアへ移した。


「先生が書けたら授業に戻りなさいってよ」

楽しそうに進路指導室に入ってきたのは岸六田先生だった。


「書けないから戻れない」

「俺、これで恐竜作ってるから完成まで無理」


「げ。一文字も書けてないじゃない」


岸六田先生の登場に、皇汰の反応は薄い。

私もやる気が起きなくてボーッと作文用紙を見ていた。

岸六田先生だけがハイテンションだった。


「桐原さん。うちの祖母が桐原さんのお祖母さまに何時もお世話になってます」

「此方こそ―。良く知らないけど」

私の適当な答えに、岸六田先生は意外な反応を返してきた。


「ああん。小さくて可愛い。食べちゃいたいわ」

……え?