着いた花忘荘アパート前。
電気がどこも着いてません。
誰も居ないオンボロアパート。
やけに庭だけが綺麗に手入れされ、花やら盆栽やらが飾られている。
盆栽……。年配の方がいるのかな。
自転車をアパートの裏に止め、お婆ちゃんに言われた通りピンク色の郵便ポストの裏を見ると、白い封筒に鍵が入っていた。
定期的に掃除をしに来ていたらしく中はすぐに使えるぐらい綺麗だと聞いていた。
カチ
「あれ?」
カチ カチ カチ
玄関横のスイッチが付かない。
薄暗い部屋の中、スイッチの音だけが虚しく響く。
「げー。電気はもしかして壊れてんの? あ、ブレーカーの元を落としてるだけ?」
ブレーカーって高い所にあるから届くか不安なんだよね。
スマホのライトでブレーカーを探したら、台所の上にあった。
やっぱり落ちてる。
シンクに上がり、ブレーカーを上げると同時に、鍵をかけたはずのドアノブがガチャリと回った。



