真っ暗な花忘荘に着くと、どちらからともなくお腹が鳴った。
「皇汰、今日の夜ご飯は?」
「ふふん。昨日作ったカレー」
此奴、料理もできるのか。
「お米持ってお邪魔して良いでしょうか。ご飯は炊いております」
「良かろう。炊飯器と共に参られよ」
皇汰が偉そうに有無、と眉をキリリと吊り上げた。
「いや、炊飯器は重いから持ってやろう」
そうウキウキと私の部屋の前でポケットから鍵を取り出す。
「殿、何故私の部屋の鍵を!?」
「前に千景に貰ったのじゃ」
そう言えば初日、鍵をかけた部屋に侵入してきたな。
「殿、それ私が預かりますので」
「駄目じゃ。そなたに何かあれば駆けつける為にも持っておく」



