「どこで寝てたんだよ。お日様の匂いがしたぞ」
そう言われると何だか特別な気分になってニヤニヤしてしまう。
あの空間は、息苦しい現実から逃げ出せるから内緒にしたい。
「私と若社長の秘密だよ」
「――心配して損した」
はーぁと髪を掻き上げながらそう言う。掻き上げた髪の隙間からは、ピアスがジャラジャラ付いた耳が見えた。
――完全には良い子ちゃんになるつもりはないのか。
「皇汰が悪いんだよ」
「俺?」
「岸六田先生を自分のクラスの担当にしたくせに、避けたりピリピリしたり。自分がキスして気まずくしたのにさ」
「……傷口を抉るなよ」
「クラスの雰囲気を乱すなら私がボイコットするから!」
「いや。結愛を一緒に探してたら、何とかなりそうな雰囲気だったから」



