不機嫌そうに言うと、皇汰はまた黙って歩き出す。
私を荷物のように抱えたまま。
「えっと……怒ってるの?」
「へぇ。結愛には怒ってないように見えるんだ」
メチャクチャ怒ってるように見えます。見えてます。
「『ごめんなさい』だろ。心配かけた時は」
「ごめん……」
そんなに心配するとは思わなかったし、もしそう思ってたら自力で起きてた。
いや、元はと言えば、ピリピリした空気を出す皇汰が悪いんだ。
流石に人通りが多い駅の近くになると下ろしてくれたけど、カバンは捕られたまま。
「――俺が若社長を探してくれって言ったから、もし事故とかに巻き込まれてたら、責任感じるだろ」
「あは。繊細だね」
ギロリと睨まれたので、小さく『すみません』と謝ってしまった。



