凪の事なんて忘れて、ヒマをいい事に今日発売の雑誌を手に取るとベッドに腰掛ける。
無駄遣いはしたくないけど、女の子らしくいる為に……このメイクやファッションが載った雑誌だけは毎月買ってるんだ。
外からは賑やかな声が響いている。
シャンパンコール。
お客さんのキャーキャー言う声。
バースデーソング。
ちょっとだけ……楽しそうだな。
だってきっと、私は誕生日が来たって一人だもん。
きっとこの部屋で普通に仕事をしているに違いない。
ハートのクッションを抱きながらそんな事を考えていたら、ちょっとだけ悲しくなってしまった。



