最終的に決めたのは……中性的な、そして柑橘系の香りを放つブルーのハート型をした瓶に入った香水。



それに合わせてシャンプーも変えた。



最後に……と振ってもらった香りに満たされ、紙袋を抱えるとエレベーターを待つのももどかしく階段を駆け下りる。



私の居場所に、私を残す。



ホストの皆に倣(なら)っただけなのに……この行為が、フレアの均衡を崩すだなんて、私はまだ知らなかった。