私の吐く息で、至近距離の店長のメガネは白く曇り……。 「雪乃ちゃんって何かいいよね?」 くすりと笑いながら曖昧な表現で抱き締められると、最初に抱かれたのが店長だからなのか……あの日のドキドキが戻ってきてしまう。 「みんな癒されてるって言ってるから安心して」 私の不安を諭すように言いながら、唇を首筋に落とされる淡い痛みに逆らえない。 人って恋愛感情が無くても……愛を感じることは可能らしい。