乱れた黒いスーツから零れるシャツにドキッとしてしまう。 私……やっぱりスーツ好きだ。 ……じゃなくて!! 「舞子さんって……」 これだけ名前を聞いたら気になってしまう。思わず口にした私に、秋さんはしょうがないか、と口にして私を抱き寄せた。 呼吸で上下する胸は熱く、茶色い髪が私のおでこをサラサラとくすぐる。 「舞子は前ここにいた子だよ。今はチェーン店に移動したけど」 ……え?? 移動なんて、あるの??