「雪乃ちゃん……凪なんとかしてくれよ」 朝、出勤する為に会社の制服を着て玄関を出た私に苦笑いする悠哉さん。 その隣には、見送ってくれる愛しい人の姿。 「気をつけてな」 「うんっ!!」 頭をくしゃっと撫でられて満面の笑みを向けると、短い時間を逃さないように視線を絡め合う。 「悪かったな、悠哉。明日から俺ここに住むから」 だからもう、早朝には押しかけない……と言って凪が笑う。 いや、ここって……。