そして……いよいよ凪と向き合う時間がやって来た。 「いらっしゃいませ、ご予約ですか??」 「えっと神野さんという名前で……」 予約しといたから……そう言われ伝えてみた名前。 そう、考えてみたら……私、凪の源氏名しか知らない。 ”彼氏”の本名すら知らないってのはどうかと思うけど……。 「お待ちしておりました」 かっちりとした制服に正しい姿勢をした、丁寧な言葉遣いのボーイさんに案内されたのは……ゆったりとしたカップルシート。 凪は……そこで先に、待っていてくれていた。