と言っても、浮かれる時間なんて全く無い。



だって……おそらくちゃんとした店であろう所へ、着ていく服すらない私。



ドレスは借り物だったし……。



部屋にある服は……オーナーのくれた男服だけ。



悩み抜いた末に、出勤スタイルだった服。思いっきりのメンズ服を手に取る。



これは……本当に凪が私を好きでいてくれるなら、の配慮でもある。



いくら、電車を乗り換える先の駅とは言え誰が見ているか分からない。



そんな場所でOLになった私とNo.1ホストの凪が、普通に逢ってていいハズがない。