「じゃあ、行ってきます!!」



行ってきますを選んだのは、帰る場所はここなんだと思いたかったから。



部屋を出来るだけ綺麗に掃除して……涙を拭いて、出来る限りの笑顔で手を振った。



ありがとう、フレア。



「また戻ってこれるよ、待ってるから!!」



この……店長の心地いい頭を撫でる手も、今日がとりあえず最後。



「はいっ!!」



私がいなくても、明日も普通にフレアは廻る。



もちろん、私が来る以前だって。



そう思うと……あの、最初に面接したセクキャバの子達よりも、私には居場所無いのかもしれないね。