その日の私は、自分でも結構気に入っているB系のパンツと、有名ブランドのロゴが入った胸がバレないようにだぼっとしたTシャツ。



被り慣れた帽子を目深にぐっと押し込めると家を後にした。



商店街を抜けて、散歩にちょうどいいぐらいの距離を歩くと見えてくるビル。



「さ、今日も頑張らないと!!」



あの店長の指導は自分でも気づかないうちに私を変えたのか、あの日以来みんなにより一層優しく出来るようになったし



自主的に頑張ろうって思えてる。



挨拶を交わすため、笑顔を作って階段を登り裏口を開ける。



その瞬間!!



何故か……誰かの視線を感じたような気がした。