皆が帰って静まりかえった店内で、私は部屋じゃなく……お客さんの座る席に案内されていた。



「えっと……店長?」



「今だけは、十条 流樹って呼んでくれる??」



それは、これまで見たことの無い……ホストとしての店長。



目の前に置かれているのは、氷がいっぱいのバケツに入った一本のお酒。



座った私の肩を繊細な手で抱き寄せて……って!!



これは……私がお客さんって事??