「雪乃……俺じゃダメ??」



「ここを辞められないうちは無理だよ」



違う理由をつけて、秋のぎゅうっと抱き締める腕から逃れるように言い訳をする。



私がなんらかの理由で境オーナーに借りがある事だけは、みんな知ってるから。



自分も傷付かないように……なんて、私は嫌な女だ。



「待っててもいい??」



そして……そんな言葉に揺れそうになる弱い自分は、もっともっと大嫌い。