「店長に頂いた商品券で、買わせて貰いました」



さっぱりとした、柑橘系の優しい香りが体を動かすと空気に触れ、また……零れる。



笑顔を見せた私とは逆に、何故か合点のいったような表情を見せると



こくりと頷き店長もまた、フロアへと戻っていく。



去り際に



「その香水さ、よく凪が買ってた。彼女のお気に入りとかで」



「……え??」



「そういうば、凪の彼女……雪乃ちゃんにちょっと似てるかも」