人を散々好きなようにして……たぶん5分ぐらいはそうしてたと思う。



触れた唇がようやく離れ、大きく深呼吸をしようとした私に走る痛み。



頭を掴んでいた手を一気に突き放すように、今度は部屋の中央へと押される。



その反動でキャミワンピの肩紐がズレ落ちてしまい……なんともあらわな格好になってしまった。



これ以上肩紐が落ちないように支えながら、顔を上げた視線の先。



「凪……さん!?」



そう。



そこには、今日の主役であるハズの凪が、いつもの冷たい瞳のまま立っていた。