美男美女。


誰がどう見たって、お似合い。


あんな表情をして……清瀬くん、ユカのこと好きなのかな。


そう……なのかな……。



「あっ、綾乃ぉー!おはよー!」



その時。

私を呼ぶユカの声。


暗くなりそうな顔を無理やり明るくして、笑って二人のもとへ歩いた。



「おはよぉ!」



泣きそうなのを必死に堪えて。


……清瀬くんの優しさに、間違いそうになっていた。


まだ、間に合うよね?


まだ、清瀬くんのこと、好きになってないよね、私。



「藤田?どうかした?」


「ううん……っ。なんでもないよっ?」



あれ、おかしいな。

なんでこんなに胸が痛いんだろう。


ーーキーンコーンカーンコーン。


その時、私を助けてくれるかのようにチャイムが鳴り響いた。