「俺、藤田の幸せ願ってるから」


「ん、ありがと。清瀬くんも、好きなコとうまく行くといいね」



ーーズキッ。


あれ、なんで……?

なんで今胸が痛くなったの……?



「おう!サンキュー。俺も頑張らなきゃなぁ」



いつものように明るい笑顔。


清瀬くんの笑顔はいつだって眩しい。


眩しいほど、好きな人に真っ直ぐで、健気。


いつも明るくて、元気で、そばにいるとこっちまで笑顔になれる。


……心が弱ってるから。


弱ってるから、清瀬くんの魅力に惹かれてるんだ。


きっとそうだ。


清瀬くんの明るさや優しさに私の心が甘えてるんだ。



「今から電車乗れば午後の授業には間に合うっしょ?」


「そう、だね……」



だからまだそばに居たいだなんて、そんなこと考えてるんだ。


……ダメだよね、こんなの。


清瀬くんにはちゃんと好きな女の子がいて、


私には先輩がいるのに。