「……って、またオレ恥ずかしぃーこと言っちゃった!?」



耳まで赤くなった顔を手で隠した清瀬くんが「見んなよー」って、そんなのムリ。


純粋なんだなぁ。


真っ直ぐで、素直で、純粋。



「あー!藤田また笑ってる!」


「だって……!」


「バカにしてんだろぉー」


「してない!ほんとに!尊敬してる!」


「えー、ウソっぽいんだけど」



なんで伝わらないんだ!

本当に尊敬してるっていうのに!!



「あ、藤田はこっちね」



改札を抜けて外に出ると清瀬くんがそう言って車道側を歩く。


あ……。


危ないって気を使ってくれた……?



「ありがとう」


「どういたしまして」



天真爛漫でバカっぽいのに、こういう紳士的なこともできるんだ。


女子力なるぬ、男子力だな、これは。